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THK 免震Webサイト > お客様の声 > 「地震発生時でも検査継続を」の思いから免震装置を導入
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    大分大学医学部附属病院 医療技術部 臨床検査部門  医療技術部長 臨床検査部門技師長 宮子 博 様

    私の所属する臨床検査部では、血液検査、免疫検査、尿検査等の様々な検査を行っています。検査は医師が診断するうえで、欠かすことができない医療行為です。そのため患者さんの命を守るため、いかなる災害からも検査機器がダメージを受けずに検査継続ができるよう絶えず気を配っています。東日本大震災では大きな被害を受けた東北大学病院の大切な検査機器の多くが倒れ、機能不全に陥った様子を見ました。また昨年発生した熊本・大分地震では私たちも阿蘇市で医療支援活動を行いましたが、幸い当病院は震度5であったためほとんど被害が出ていませんでした。一方、震度7を記録した熊本市では、免震装置を施していなかった熊本市民病院が甚大な被害を受け、建物倒壊の危険性から入院患者をすべて他の施設に移す必要が生じていました。2つの大地震による被害を目の当たりにし、地震対策の重要性を改めて感じるとともに、特に検査機器に免震装置を設置する必要性を強く感じました。そこで検査室の改築に伴う新規設備導入の際、数ある検査機器の中で最重要と思われる「生化学自動分析装置」と「血液分析装置」に免震装置を設置することにしました。他の検査機器は従来同様、ベルトで壁に固定する等の耐震対策で対処することとしました。検査機器は非常に繊細で、ミクロの世界で患者さんの検体を調べ、反応を見る世界です。大きな揺れで検査機器がダメージを受けると機能を復旧させるだけでも多大な時間がかり、検査ができなくなります。当病院は地域災害拠点病院であるとともに、高度救急医療センターとしての役割も担っており、緊急患者に対して24時間体制で診察を行えるよう、医師の医療行為を助ける検査システムを常に稼働状態に維持しておく必要があります。災害時に患者さんに対して、「今は検査ができません」とは言えませんし、そんな事態は絶対にあってはなりません。THKさんの免震装置は学会で目にしており、また東北大学病院での採用実績からも信頼を寄せていました。そんな折、本年3月31日に厚生労働省医政局長から「災害拠点病院指定要件の一部改正について」が発信され、災害拠点病院の指定要件に「業務継続計画(BCP)の整備」等が追加されました。当病院も地域災害拠点病院ですので、BCPの観点からも免震装置導入が正しい判断だと確信しました。大分県の地層は断層が多く、すぐ近くの別府湾もかつては震源になっています。昔1つの島が地震で沈んだという伝説もあるくらいで、いつ大地震があっても不思議ではありません。制震・耐震装置等、地震の揺れに対応する選択肢の中で、私が免震装置にこだわったのは、揺れを受け流す機能です。確かに制震・耐震装置でも検査機器の倒壊は免れるかもしれませんが、装置内部にある検査器具は揺れで壊れてしまいます。免震装置であれば検査機器の倒壊を防げ、さらには揺れを受け流す機能により装置内部の検査器具も守られます。私たちに課せられた使命は、いつ何時でも検査を行うという一点につきます。病院全体は無理としても今後、フロア全体、部屋全体を部分的に免震構造が採用できれば素晴らしいと思います。

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