免震の種類
免震には「転がり免震」、「積層ゴム免震」、「すべり免震」と
大きく分けて3種類あります。



転がり免震
直動機構を組み合わせた免震装置で、建物の荷重を支えます。地震時には、直動機構内のボールベアリングがレールを転がり、揺れに合わせて動くことで、建物に伝わる震動を軽減。組み合わせは十字形、キ型、井型の3 種類があり、さまざまな建物の免震化に利用できます。


積層ゴム免震

薄くやわらかいゴム板と硬い鋼板を交互に重ねあわせた積層ゴムを使用。地震の時には、水平方向にゆっくりと揺れ、震動を逃がします。比較的重い建物の免震装置として適しており、軽量の建物での使用には工夫が必要です。またゴムや鋼板の素材により、減衰力が異なります。
すべり免震

建物の柱の下に設置された低摩擦のすべり材が、表面処理を施した鋼板のすべり板の上をすべることで、地震の揺れを逃がします。小さな揺れの場合は積層ゴムが変形し、大きな揺れの時にすべりが発生。すべり板は建物、地表のどちら側にでも配置することが可能です。
それぞれの免震特長比較表
転がり免震 | 積層ゴム免震 | すべり免震 |
---|---|---|
・これらの中で、免震性能が最も高い免震装置。 ・水平の精度を上げると、地面が揺れていても、上の建物はほとんど動かない。 ・転がり抵抗は極めて小さく、摩擦係数はおよそ1000分の5、アイススケート並み。 |
・RC造などの比較的重い建物に適し、軽量や特殊形状の建物では使用方法に工夫が必要。 ・上下方向には硬く水平方向には柔軟で、変形しても元の位置に戻る免震支承として機能します。 ・滑り又は転がり支承併用時には、風揺れ固定装置を併用しないと風で揺れます。 |
・「転がり免震」よりも、免震が始まる加速度、及び免震性能は劣ります。 ・残留変形が生じやすく、風揺れ固定装置を併用しないと風で揺れます。 |